2021年12月02日

椎間板ヘルニアの矛盾

ヘルニア

椎間板ヘルニアには数多くの矛盾点があります

1.CTスキャンやMRIで右側にヘルニアが確認されても、左側の下肢に症状が出ている場合がある。

2.椎間板ヘルニアがあっても症状のない人が大勢います。
健常者を対象にCTスキャンで椎間板を調べた実験では20~27パーセントに椎間板ヘルニアが確認されていますし、
MRIの実験でも、やはり21~36パーセントに椎間板ヘルニアがみつかっています。

3.椎間板ヘルニアは、手術をしてもしなくても結果に差はありません。
椎間板ヘルニアが確認された患者126例を対象に手術群と理学療法群との長期成績を比較した調査報告があります。
これによると、短期成績は手術群の方がよかったのですが、4年を経過した時点から理学療法群とは差がなくなり、
10年後になると有意差はないものの逆転していたのです。
すなわち、椎間板ヘルニアの症状は、手術を選択しようが理学療法を選択しようが4年後の結果は同じということです。

4.手術を受けても症状に変化がないか、しばらくして手術前と同じ症状が再発することがあります。
髄核や椎間板が除去されているのに症状が残るというのはどういうことでしょう?
先ほどの調査報告では術後の経過が思わしくないのは13パーセントという結果がでています。
ところが、理学療法群も手術群も4年後には80パーセント以上が、10年後には90パーセント以上が改善しているのです。

5.神経の圧迫は持続性の痛みを引き起こしません。
たとえ何かに神経が圧迫され続けたとしても、痛みは短時間のうちに消えて麻痺に変わるものです。
ですから、いつまでも治らない坐骨神経痛の原因が椎間板ヘルニアあるとはとうてい考えられません。

◎腰痛研究で世界的に有名なアルフ・ナチェムソンは
「大部分の腰下肢痛の原因は判明しないので、患者の98パーセントは保守的(非外科的)に治療すべきだ」
といっています。



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