2021年08月19日

痛みの第一現場で起きていること

第一現場
痛みやしびれは、実際に痛みが出たりしびれたりしている第一現場と第二現場(脳)との情報のやり取りです。今までは第二現場のことを記してきましたが、ここでは第一現場では何が起きているのか記していきたいと思います。
慢性的な痛みで苦しんでいる時、第二現場では「闘うか逃げるか反応」が起きています。
ストレスの源である嫌な出来事、嫌いな人物に対して闘うのかそれと逃げるかの反応です。

「闘うか逃げるか反応」は緊急事態に備え、より速く、より強く動けるよう筋肉を緊張させます。
この時、体の中で最も緊張が入る部分が図1のA、Bの部分です

Aの部分の筋肉が緊張し硬くなると首が短くなり肩があがります。闘うにしても逃げるにしても首をのばし、肩をだらんと下げている人はいません。Bの部分は嫌な出来事に対して克服(闘う)するのか回避(逃げる)するのかで変わってきます。克服の場合は骨盤を前に倒し脚が前に出やすくするために、回避の場合は逃げやすくなるように腰が引けた状態をつくるために筋肉が緊張します。
部位

この筋肉の緊張が痛みの原因となります。

それではAとBの部分では何が起きているのかをみていきます。

上記のように緊急事態に備えるために緊張した筋肉が血管を圧迫して患部の血液循環を悪くし、軽い酸素欠乏を起こします。
筋肉図

痛みの専門院のホームページより
https://www.itamino.com/faq2.html


この血管が圧迫されることで患部では次の3つが起きていると考えられます。

第1に科学的老廃物の蓄積です
この老廃物は主に乳酸という疲労物質ですが、通常は血液循環によって洗い流されるため、蓄積されることはありません。ところが血管収縮にともなって血流量が減少すると、筋肉内に発痛物質でもある乳酸が蓄積し、筋肉痛を引き起こしてしまうのです。
老廃物
痛みの専門院のホームページより
https://www.itamino.com/faq2.html

第2に筋肉痙攣(けいれん)です
血流量の減少によって酸素欠乏が深刻になると、
筋肉が痙攣しはじめます。
この痙攣は、ふくらはぎの筋肉痙攣(こむらがえり)と同じものですが、自律神経を介して血管が収縮しているために、短時間で治まるということはありません。
たいていはおさまるまでに数日かかりますが、ここでおかしな呪いをかけられると、数週間から数ヶ月に及ぶことがあります。

第3に神経障害です。
神経は筋肉よりデリケートにできていて、ほんのわずかな酸素欠乏でも症状を出して危険を知らせます。
筋肉はかなりの酸素欠乏にも耐えられますが、神経は酸素欠乏にとても弱いのです。
神経を養っている血流量の減少は、上腕神経叢(腕の神経)や坐骨神経のような末梢神経の酸素欠乏を引き起こします。
一般的な酸素濃度の低下による症状は痛みですが、さらに酸素濃度が低下した場合、さまざまな程度の知覚異常や筋力低下をきたすことがあります

以上のように筋肉の緊張が血流量の低下をおこし、それが原因で筋肉や神経が酸欠を起こす。これが痛みの原因なのです。
厄介な事に、痛みの原因である緊張した筋肉は画像検査ではわかりません。わからないから異常なしとか原因不明になるのです。しかし熟練した手技療法のセラピストには原因は確かに存在するのです。緊張した筋肉があるかないかは患部をタッチすればわかります。そして緊張した筋肉をほぐせば高い確率で痛みを改善できる可能性があるのです。

しかし痛み根本原因は第二現場(脳=心)にあります。第二現場に手を入れていかない限り一時的に良くなっても必ず再発してしまいます。







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