幼少期に経験した精神的動揺を伴う価値判断の4つのモデル

秋山幸徳

2021年12月17日 16:10



幼少期に経験した精神的動揺を伴う価値判断には4つのモデルがあります。
価値なしモデル、愛なしモデル、ひとりぼっちモデル、欠陥欠損モデルの4つです。
全ての人がこの4つのモデル全てを持っています。
その中で一番強いものが必ずありますが最初はなかなかわかりません。
人によっては混合型という場合もあります。

この4つのモデルを使って自分自身を分析することで
●なんで今こんなことが起きているのか?
●なぜ思い通りにいかないのか?
●なぜ同じような失敗をくりかえすのか?
●なぜ心が苦しいのか?
●なぜ人間関係がうまくいかないのか?(相手の分析も必要です)

を知ることが出来ます。

この4つのモデルの特徴を下記に記します。参考にしてください。

1,価値なしモデル
痛み・繰り返される不本意な現実
(こんなにやっても)「やっぱり自分には価値がない」
何か価値を出さないと自分の価値は認めてもらえない。

特徴
●人に価値を出せなければ自分はいる意味がない、いる価値はない
●成果を通して自分の価値を認めてもらいたい
●人からの期待に応えたい
●人からの評価や承認が大事
●出来るのに頑張ろうとしない、やる気のない人が理解できない
●できれば有能で価値を出せる人と一緒にやりたい、働きたい
●何かを良くしていく課題解決が得意でどうしたらいいのかをすぐ考える
●休まず働き続けてしまう。何もしないことが耐えられない
●勝てないゲームはしたくない。確実に勝負できるものを無意識に選ぶ。

代償
他人軸で生きているため自分がなくなる


2.愛なしモデル
痛み・繰り返される不本意な現実
(こんなにやっても)「やっぱり自分は愛されない」
自分のありのままでは愛してもらえない

特徴
●恒常的な「寂しさ」があり、つながりを失って1人になってしまうのが怖い
●人にあたえてばかりで疲れてしまう傾向がある
●思うように愛されずに失望したり搾取されている感じになる
●真実を明かしてほしいし、受け取ってほしい
●ありのままの自分では愛されないと思い込んでいる
●本当のことを人と分かち合いたい
●相手を不快にさせる言動はできるだけ避ける傾向がある
●問題があるときはちゃんと話してわかり合いたい
●大切な人とのつながりは自分から一方的に切れない

代償
人に過剰に尽くして自分の真実を生きられない


3.ひとりぼっちモデル
痛み・繰り返される不本意な現実
「しょせん自分はひとりぼっちだ」人が去っていく、離れていく
つながりが絶たれる分離の痛み

特徴
●しょせん、人は1人で生きているという孤独感
●人はいなくなるし、去っていくものだという割り切り
●来るもの拒まず、去るもの追わず
●人に過剰に入り込まない、執着しない
●人の目は気にしないで自分がやりたいようにやっている
●集団の中では個性的で一匹狼だ
●人間が面倒くさいと感じる
●何にも制約されずに自由に生きたい
●誰にも決して従属しない、縛られたくない、人も縛りたくない
●「好きにしたらいい」が口癖
●人は何もしてくれなくていい、いてくれるだけでいいと思っている
●自然や動物など非言語の感じられる世界が好き

代償
常に自分や人、世界を割り切って捉え、決して無くならない孤独を抱える

4.欠陥欠損モデル
痛み・繰り返される不本意な現実
(こんなにやっても)「やっぱり自分はダメだ」
自分には決して埋まらない
決定的な欠陥がある

特徴
●自分は何かが足らない、できそこないだ、ポンコツだという漠然とした自己不信
●とにかくすぐ不安になって落ち着かない。「ここにいていいのか?」「私は大丈夫か?」
●表に立つよりも裏で采配する
●不本意な出来事があると自分のせいだと自分を責めてしまう。責められた感じになる
●他社と比較して自分の至らなさが気になる
●不安から行動しがちなのでやることが増える
●要求されるとできないんじゃないかと不安になる
●人の役に立とうとする
●実は、隠れていろいろ努力している
●安心していられる居場所を求める

代償
人の中で安心して自分でいられない。心の平安がない。

4つのモデルをもっと詳しく知りたい方は下記の本を読んで下さい
ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー
由佐美加子(著)・天外 伺朗(著)

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