目標の設定

秋山幸徳

2021年08月01日 13:43



自力で腰痛を改善していくために絶対に欠くことが出来ない2つのことについて説明します。
この2のことを知らないと腰痛は絶対に改善しないので事前に準備しておく必要があります。
1つ目は目標設定です。間違った目標を設定すると痛みがひどくなる場合があるので注意が必要です。

1,目標設定
「なぜ腰痛をなおしたいのですか?」と聞かれたら、あなたはなんと答えますか?

「この痛みから逃れたい」「痛みを気にせず歩けるようになりたい」「またスポーツが出来るようになりたい」

残念ながら、こうした回答にとどまっているかぎりなかなか腰痛は改善しません。
その理由は、こうした回答では、目の前の「腰痛」という問題を回避することだけに集中しているからです。
「とにかく痛みを治したい」「なんとかこの痛みをなくしたい」ただ、それだけに集中してしまっているのです。
この様な「痛みの回避したい」という思いの裏側には必ず不安や恐れというネガティブな感情が隠れています。
そして不安や恐れというネガティブな動機で行動していると痛みを改善するためにやっていることが逆に痛みの回復を遅らせることになります。

何故ならば

●不安や恐れ心配というモチベーションで行動していると、楽しくないし面白くない
●不安や恐れ心配というモチベーションで行動していると、マイナスイメージ、マイナス感情・マイナス思考が強くなる
●不安や恐れ心配というモチベーションでは、勇気がわいてこない
●不安や恐れ心配というモチベーションでは、新しいことにチャレンジできなくなる
●不安や恐れ心配というモチベーションでは、ストレスが大きくなり、幸せの感覚がなくなる

ということが起きる可能性があるからです。

不安や恐怖という動機で痛みを回避しょうとすると、痛みを改善するための新しい試みにチャレンジできなくなったり、痛みの改善効果がるワークやストレッチがあっても「楽しくないし面白くない」から続かず途中で嫌になります。
そればかりではなく、痛みに対する恐怖心がますます強まり、痛みがひどくなることもあるのです。

ダイエットに失敗したり、病気にならないように常に食事に気を付けたり、適度に体を動かすことを心掛けて体操やストレッチ、散歩などを日常的にしていた人が、病気になり早死にするのも「不安や恐れ」が動機になっているからです。

それではどうしたらいいのか?少し長くなりますが聞いてください。

痛みは本当の自分からズレていることへのメッセージです。
各自が本来持って生まれてきた生きる目的に沿った生き方をしてないことを教えてくれているのです。そのメッセージの意味に気付き生きる目的に向かって生きはじめたとき痛みは消滅します。

「なぜ腰痛をなおしたいのですか?」という問いに対して「これをやるために腰痛をなおしたい」の「これ」が明確にならない限り、痛みはなかなか消えません。
なぜなら、この先、何をやり、どうしたいのかが明確になっていなければ、脳がどういう体をつくっていけばいいのかわからないからです。
たとえてみれば、タクシーに乗ったのに、行き先を告げないようなものです。
これでは街中の道に精通したドライバーでも、走りようがありません。

これとは逆にやることが明確で、それが生きる目的に沿っている場合、脳はそれを実現するためにうごきだします。脳には、もともとそうした機能が備わっているのです。

アメリカのある大学での脳科学の実験で、こういう事例がありました。
被験者に「去年の誕生日は何をしていましたか?」と質問すると体の運動神経を司る部位は動きませんであいた。しかし、「今年の誕生日はどうしたいですか?」と質問すると、体の運動神経をつかさどる脳の部位が活発に動きはじめたのです。つまり、過去に焦点が合っていると体の運動神経などはつくられていかないのですが、未来の欲しい価値に焦点が合っていると、体の運動神経を司る脳の部位が活発に動きはじめ、それを手にするための体がつくられはじめるのです。だから「これをやるために腰痛をなおしたい」これを明確にする必要があるのです。

それにはまず「本当は自分は何をしたいのか」という問題意識を常に持つ必要があります。
この問題はそう簡単に解けるものではありません。そもそも、この答がわかるのであれば痛みに苦しんではいないと思います。あせる必要はありません。時間をかけて探しましょう。ここでは問題の回避から行動しないことを知っていただければOKです。

なかには、やりたいことが、いくら考えても全く思い浮かばないという人もいるかもしれません。
そんな時は子供のころの記憶をたどってみましょう。

小さい頃というのは、今より経験や知識が少なくて、怖いものが少ないんです。
お金のことも考えてない(考える知識がない)ですし、社会で通っている常識もあまり知らないので自分の許容枠が広い!
世界が狭いので、世間体も気にしません。
その小さな頃の自分が「あなたのしたいこと」を教えてくれることがあります。
とりあえず、私のしたいことって「なに?」という疑問を忘れて振り返ってみましょう。

【質問1】小さいころ、大好きだったことは何でしたか?

ヒーローやヒロイン、キャラクター、お友達、習い事、スポーツの練習。
公園、大きな木、雨の日、運動会、ママの読んでくれる絵本。
それが何?と思われるかもしれません。
答えが出てきたら、どうして、それが好きだったか、まで考えてみましょう。
【質問2】子供時代のあなたはどんな子でしたか?
家族、お友達、先生からどんな子って言われていましたか?
周りの人の言う、あなたについての「○○な子」をどんな気持ちで受け止めていましたか?

そして、忘れてはいけない「自分は自分のことをどんな子だと思っていたか」ということ。
○○ができない、○○をしない、○○の癖があるなど、直しなさいと言われ続けたことを、そのまま自分は○○な子にあてはめている人が多いみたいです。
表裏一体、紙一重ですからマイナス要素が「やりたいこと」を見つける材料になる可能性もなくはないでしょう。
でも、せっかくですから、ポジティブな面も思い出してみましょう。

•どんな場面での自分が一番好きでしたか?
•嬉しかったことってどんなことだったでしょうか?
•お友達にありがとうって言われたのはどんなことでしたか?
•戻れるとしたら、何をしていたときの自分に戻りたいですか?
•いつの間にか数時間が経った感覚のあった日、何をしていたのですか?
•それをしている最中に、次はいつかな、次も楽しみって思った経験はありますか?
•純粋に夢中になっていたこと、思い出せますか?

やりたいことがないのではありません。それを自分の奥深くにしまい込み過ぎて自分でもわからなくなっているだけです。
どうしても思い出せない場合は以下の質問に答えてみましょう!

「あなたにとって本当に素晴らしい人生とはどういうものですか?」

これをテーマに3~5つの文章をかいてみましょう。その際、次の規則を守って下さい。
否定形を使わず、ひたすらポジティブに、現在形で、具体的に、そして自力で到達できること

書いた文章の中から一番しっくりするものを1つ選び毎日5分~10分イメージしてみましょう。
また発作的に激しい痛みが再発した時、痛みにとらわれずにこのイメージに集中すると、高い確率で痛みが引いてきます。

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